ラヴシークレットスクール ~消し去れない恋心の行方



そう思ったあたしは早速行動に移した。


「高島センセ、今日は何かの研究授業?」

『違うよ~』

心配そうに声をかけてきた女子生徒に一応否定。



「茜ちゃん、もしかして赤点でも取った?それとも松本先生の嫌がらせ?」

『だからそういうのじゃないってば!』

やんちゃな男子生徒の冷やかしを断固否定している時に
教室のドアがガラッと開いた。



「ほら、授業始めるぞ。」


入江先生が黒い出席簿を片手に教室へ入って来た。
あたしが高校1年生の時の初めての数学の授業の時のように。


今日の授業を見学させてもらうことを事前に入江先生には伝えておらず、
生徒達のざわつきがなかなか収まらなかったせいか
入江先生はあたしの存在に気がつかないまま、出席を取り始めた。


テンポ良く生徒の名前を呼ぶその声も懐かしくて。

この日欠席していた生徒の席を背の高い男子生徒の後ろにこっそり移動させ、そこに腰掛けながら隠れていたはずのあたし。

それなのに、入江先生が教壇に立つ姿をいつものように教室のドアの窓ガラス越しではなく、直にこの目で見つめたくて。
つい、前の席の生徒の横から身を乗り出すように前を覗いてしまった。


その瞬間、絡み合ってしまった入江先生との鋭い視線とまごつくあたしの視線。
生徒の名前を呼ぶ声が途中で止まり、マズイと思ったその時、



「高島。」


入江先生の声が再び聴こえてきた。



このクラスにあたしと同じ苗字の生徒がいるのかと辺りをキョロキョロと見回すも、生徒達の視線もあたしのほうに注がれていて。



あれ?

このクラス・・・・担任でも、数学の授業の受け持ちでもないから、どんな生徒がいるかわからないんだけど

高島ってあたしと同じ生徒
このクラス、いないんだ・・・・
まぁ、この辺りではよくある苗字ではないからな~

っていうか今、出席を取っているとこだよね?



「だから、高島、返事は?」

『えっ、あっ、、はいはい、います。ここです。私です。』

「知ってる。出席だな。」




アハハハ!!!!!!!

ギャハ!

笑える~

茜ちゃん、出席だって!!!!! 面白すぎるって!!!!!



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