ラヴシークレットスクール ~消し去れない恋心の行方
エピローグ:スキというベクトルが指し示す未来


【エピローグ:スキというベクトルが指し示す未来】




「そろそろ帰ろうか。」


小高い丘の上にある学校から見下ろす位置にある大型ショッピングセンターの照らしていた照明が消えたのがきっかけになったのか、入江先生があたしにそう告げた。


『この坂を誰かと歩いて降りるとか、初めてかも。いつもは車でびゅっと降りて行ってしまいますし。』

「そうだな。生徒は毎日のことなんだろうけど。」

『なんかそんなことも・・・新鮮だったりします。』

「じゃ、その新鮮を味わう?歩いて降りる・・・とか。」

『そうですね。車もないことですし。』


桜の木の下でキスを交わした直後で
まだ唇がその熱を帯びたままであるせいか

歩きながらこうやって何気ない会話ですら
なんだか照れくさい・・・・


学校内では
生徒のことで相談とか行事の準備とか
いろいろなことを一緒に取り組んだりしたのに

一緒にこの坂を歩いて降りるという
こんな些細なことで照れくさくなるなんて・・・・

照れくさいついでに
彼に聴いてみたいと思った


『入江先生はなぜ・・・』

「ん?」

『なんで、あたしのスキを受け入れているようと思ったんですか?』


なんで今
入江先生とあたしがこうやって
一緒にいることができるようになったのかという
学校内では話せないような質問を・・・



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