ラヴシークレットスクール ~消し去れない恋心の行方



「そうか。これからも宜しくな、高島。」

『茜って言ってくれなきゃ、ハイって返事しませんから。』

「・・・・・・・」


黙ってしまった入江先生が握り合っていた手を離してしまった。

余計なことを言ってしまったかもと密かにガッカリし項垂れたあたしに

「宜しくな、入江茜センセ。」

入江先生は穏やかな声でそう囁いてから大きな手であたしの頭をポンポンっと撫でた。


こういう時に
頭ポンっとか
もうホントに反則でしょ?

入江先生と呼ばれることだけでも
ふわふわした感覚なのに・・・


『やっぱり無理です。あたしが生徒に入江先生って呼ばれるの・・・・・受け持ちになる3年生が卒業するまでは高島のままでいます。』

「なんでだ?」

『入江先生って呼ばれたらデレデレを隠せないの間違いなしだから・・多分授業にならないです。』


やっぱり妄想せずにはいられません
入江茜になった後のことも

生徒達になんて言われるんだろう?とか
入江っていう漢字、バランスよく書けるかな?とか


「そのうち慣れるだろ?・・・さて入江先生、そろそろ帰りましょうか?」

『えっ?』

「ホントだな。顔、真っ赤だぞ。」

『だから言ったのに~。』


本家入江先生に “入江先生” って呼ばれると
本当に恥ずかしいです


「でも、新3年生はどうせ茜ちゃんって呼ぶだろ?」

『多分そう。でも、入江先生~ってわざとからかってくるかも。入江先生と呼ばれることに対してまだ免疫が・・・・』

「免疫ね・・面白いな・・・でもそろそろ帰るぞ、家まで送るから。ほら、早く手を。」

『手?』





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