ラヴシークレットスクール ~消し去れない恋心の行方
促された手を空にかざしてから入江先生を見上げると
彼はその手に指を絡めながらそっとおろしてくれた。
絡み合う指から再び伝わる彼の体温
胸がぎゅっと掴まれるような感覚
手を繋ぐことがこんなにもあたしの胸を揺さぶるなんて今まで知らなかった
それを初めて教えてくれたのは入江先生
「冷えちゃってるだろ?ほら。茜・・・ちゃん。」
『ひゃ~、茜って呼ばれるのも免疫がなくて・・・ノックアウトですぅ。』
名前を呼ばれて
胸の鼓動を感じずにはいられないあたしがいること
それを初めて教えてくれたのも入江先生
「しぶとい・・・んじゃなかったのか?」
『しぶといのちノックアウト。それぐらい入江先生がスキなんです。』
「それはそれは光栄だな。」
あたしにスキという言葉をすんなりと伝えさせてくれること
それをさせてくれるのも入江先生だけ
「スキです。入江先生。」
「・・・ノックアウト。俺もな。」
絡んだままの指をさらに強く絡め合った入江先生とあたしは南高生のカップルみたいに一緒に学校に繋がる坂を下りた。