ラヴシークレットスクール ～消し去れない恋心の行方

入江先生
そこまで彼女を想っているのなら
なぜあの時
怪我した蒼井を無理矢理にでも稲葉先生から奪おうとしなかったのですか・・・？


蒼井はあの時
稲葉先生ではなく
あなたの手を必要としていたんですよ


想い合っているのに
決してその想いは重ならなかったふたり

でも重ならなかったんじゃない

ふたりとも
お互いの立場とかを考えすぎて
重ねようとしなかった

きっとそうなんだ
お互いが大切すぎて・・・


やっぱりそんな切ない恋に
敵うはずがない

でも
今はあの頃に比べたら私

入江先生にちょっとだけ近付いている
きっとそうだよね？
そう思っていいよね・・・？



あれから１０年の今日のあたし。

入江先生の口から飛び出した
伶菜さんという女性の名前も気になったけれど

それ以上に
想い出してしまった蒼井の存在のほうが
自分の胸をズキリとしてしまって

入江先生をスキだという気持ち
蒼井には敵わないという気持ち


・・・その気持ちの間で宙ぶらりん状態だった。