ラヴシークレットスクール ~消し去れない恋心の行方



それでも私はそんなお城の城主について行く。
不思議ちゃんである入江先生に。
せっかくの土曜日の用事が終わるまでずっとお供する
そう決めたから。


「じゃ、とりあえず駅に戻って、今度は車で行こう。」

『車ですか?』


車か~♪
どこ行くんだろう♪
ドレス選びに付き合ったご褒美でドライブデート☆とか・・・


それはないかぁ
さっき、彼氏がいる人にされちゃってた訳だし
でも、学校外で入江先生に会うことなんてまずないから
こんな機会逃しちゃ駄目だよね

車で行こうという言葉だけで簡単に浮上し
彼氏がいると思われていることを想い出して急降下した私のテンション。
3才下の弟がこんな自分を見ていたら、絶対、酒の肴にされると思ったぐらい、今日のあたしも怪しいと自覚。


「そう、車。でもやっぱり都合が悪いなら、無理に付き合わなくても大丈夫だぞ。」

もっとあたしのテンションが急降下してもおかしくない入江先生からの提言。
彼は気を遣ってくれてそんなことを言ってくれたかもしれないけど。



『せっかくの土曜日だから、都合悪いどころか都合がいいんです!!!!』

怪しい自分だからと開き直って断固拒否。

これで終了とかあり得ない
せっかくの土曜日
あたしの勘違いデートがここで終わるのは
もったいなさ過ぎる!!


『行きます。這ってでも、引きずられても!!!』

「・・・ハハハ、いや、ちゃんとシートに腰掛けてもらうから」


ドン引き気味の入江先生だったけど、さっきの提言は撤回してくれたみたいで。
さっきまでのテンション急降下状態が
ジェット気流に乗っかってしまったぐらい上向きになった。


『じゃあ、行きましょう♪』

「あ、ああ。」

まだ気後れ気味な入江先生の右腕を引っ張りながら私はカフェのドアを勢いよく開けた。



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