ラヴシークレットスクール ~消し去れない恋心の行方
でもきっと今日という日は
入江先生にとっても特別な日
彼にとって大切な人達であろう
日詠さんと伶菜さんが
人生をともに歩み始めるのを見届けたという大切な日
だから泣く訳にはいかない
もともと叶わないはずの恋
わかっているけれど
それを、時を経た今
また改めて思い知らされてしまったことで
『一歩、進んだと思ったのになぁ』
あたしの心の声が
自分の意思とは反し、音声になって現れてしまった。
極端な言い方かもしれないけれど
あたしにとってそれは残酷な声
でもそれは
入江先生の耳にもちゃんと届いてしまっていたようだった。
「ちゃんと進んでいたみたいだ・・蒼井は・・な。」
ただ、それは私自身の一歩ではなく
蒼井の一歩という意味にすり替わってしまっていたけれど。