ラヴシークレットスクール ~消し去れない恋心の行方
ちょっと酔っ払ってきている高島が
幹事の仕事を全うできるか
かなり心配だ
それに
彼女が幹事の仕事をやり終えたとしても
その後、自宅までちゃんと帰れるかも
なんか俺、飲んでる場合じゃない気になってきた
『いや、俺は』
「キライなんですかぁ?」
ビール瓶を片手に目をうっすらと潤ませた高島。
その顔を見てると
時間薬って本当にあるのかと
呟いたあの時の彼女が
頭を過ぎる
その答えはまだ
彼女に言ってやれていない
お互いに忙しさに追われていることに甘えて
なんとなく胸の奥のほうに置き去りにしたまま
彼女から俺に改めて聴いてこない状況にも
甘えている俺
その状況は変わらないまま
でも、あの頃から
俺自身の中で変わったかもしれないこと
それは・・・
「高島センセ~、入江先生に絡んじゃダメですよ~。」
やたらと高島に関わろうとするコイツ
・・・八嶋の存在なんだと思う
「ひゃ~、八嶋クンだ!とりあえず今日の主役なんだから飲んどく~?」
「じゃ、入江先生の代わりにいただきます!」
「おっ、ノリがいい~♪さすが数学科!」
嬉しそうに自分のグラスを差し出す八嶋。
それに泡が上手く立つよう手元に集中しながらビールを注ぐ高島。
「美しい泡、できあがり~♪乾杯しよ!」
「乾杯ですね。」
ふたりでグラスを合わせあう姿から目が離せなくなっている俺も
あの頃から変わっているような気がする