ラヴシークレットスクール ~消し去れない恋心の行方
あたしもお酒を飲むのはスキ
でも、お酒自体に特にこだわりはなくて
仲間達と一緒にお酒を飲む賑やかな雰囲気がスキ
その時、手にするのは
生ビールとか酎ハイとかカクテルとか
飲み放題定番メニューがお決まりのパターン
しっぽりとした雰囲気で
ワインを楽しむとかは
殆どと言っていいほど縁がなかった
『飲もうかな。』
「赤、白、ロゼどれにします?」
『オススメのでいいよ。』
「じゃ、白で。」
八嶋クンは注文お願いします!と大きな声で店員さんを呼んで、白ワインを2つ注文してくれた。
他の先生達は2~3人ずつでお酒を飲みながら熱く語り合っており、入江先生が席を外していることに気がついていないようだった。
わざわざそこへ割って入って、お酌するのも逆に邪魔だろうと思い、目の前にまだ残っている料理に目を落としていた。
「白ワインには、魚料理でしたっけ?でも、刺身って日本酒のほうが合いますよね?」
『大丈夫。ありがと。』
八嶋クンは笑いながらお刺身を盛り付けてくれた小皿を手渡してくれた。
大根のつま
大葉の上に載せられたサーモン
マグロ
鯛
イカ
そして
山葵まで
お店の人が盛り付けてくれたかのようなキレイな小皿
『八嶋クンの分、盛り付けるから、食べたいもの教えて。』
「いいんですか?また、入江先生が横取りして食べてトイレへ駆け込むようなことになっても。」
『さすがにもうやらないんじゃない?』
「じゃあ、お言葉に甘えます。高島先生のオススメで。」
オススメって一番困るな~と思いながら
さっきみたいに脂っぽいものに偏らないよう配慮しながらお皿に盛り付けることに集中していた。
なんとか盛り付けが終わり、八嶋クンにそのお皿を手渡そうとした時、
「入江先生、もう大丈夫ですか?」
トイレから戻ってきたらしい入江先生に八嶋クンが声をかけた。
「・・・・」
返事をしない入江先生。
あれっ?と思い、彼のほうへ目を向けた。
あたしのほうへ向けられた鋭い視線。
吸い込まれそう
身動きが取れないぐらい