ラヴシークレットスクール ~消し去れない恋心の行方
『・・・・・・・・?』
ちっとも理解できないあたし。
「急ぎましょう。終電、本当になくなりますよ。」
逆に話を逸らされた。
また手を引かれたまま小走りで駅まで連れてこられ、電車に飛び乗った。
『ハァハァハァ・・・って間に合ったァ』
顧問をしているバレー部で練習に参加しているあたしでもさすがに息が切れた。
「良かったですね。でも、座席が空いていなくて残念です。」
年の差なのかテニス部顧問の八嶋クンはほとんど息が切れていなくて。
結構混んでいる車内のドアにもたれて息継ぎをしているあたしを
真正面に立っていた彼は笑って見つめていた。
『笑わないでよ・・・本当にしんどいんだから。』
「・・・すみません。高島先生のカワイイ一面とか見ちゃったので。」
『からかわないでって・・・・あっ!!!!』
ガクン!!!!!
電車の線路が大きくカーブしているのか
車体が大きく揺れ、珍しくヒールのある靴を履いていたあたしは大きくバランスを崩しかけた。
『痛っ!!!!!』
そんなあたしを支えようとしてくれたのか、あたしはドアと彼の間に挟まれるような格好になっていた。
「大丈夫ですか?」
耳元で囁かれた。
あまりにも近い彼との距離のせいか
胸がドキっとした。
『大丈夫・・・・・。とりあえず離れて。』
いわゆる壁ドン状態。