ラヴシークレットスクール ~消し去れない恋心の行方
『どういう・・・こと?』
「入江先生が時間薬をいらないかもと言ったのは・・・僕がそう言わせたのかもしれません。」
『どうして?』
「僕が高島先生のことがスキだと入江先生に言ったから。」
八嶋クンがあたしのことをスキ?
しかも
それを入江先生に言った?
なんで八嶋クンはあたしのことをスキで
どうしてそれを
入江先生にわざわざ伝えなきゃいけなかったの?
『・・・・・・・・・・』
わからないことだらけ
自分がどうしたらいいのかも・・・
「だからさっきみたいに、とりあえず僕に乗ってみたらどうですか」
『そんなこと、できない。とりあえず・・なんて。』
「入江先生は高島先生に対する僕の想いを知っている上で、時間薬は必要ないかもって言った・・・・それは僕という存在を認めてくれたから・・・あとは高島先生次第なのでは?」
どうやら八嶋クンによって
自分がどうすればいいのかを導かれているみたい
入江先生から確かにフラれたあたし
そんなあたしの前にスキだと言って現れた八嶋クン
八嶋クンの想いを知っていてあたしを送る役割を八嶋クンに託した入江先生
入江先生が出した宿題の答えは多分・・・
八嶋クンの言う通りだ
『ありがと。家、すぐそこだから。』
「高島先生、その足じゃ歩けないんじゃ・・・」
こういう時、
おそらく多くの女子に通用する模範解答は
“歩けないからウチまでお願い。よかったらお茶でも飲んでいって。” というものなんだろう
『歩けるかもしれない。下ろしてみて。』
でも、あたしはまだそこまでハラが決まっていなかった。
自分の足で歩けるのなら、八嶋クンとのことをもう少し考えたい
でも、もし自分の足で歩けないのなら、このまま自宅まで送ってもらおう
そしてその後、彼とどうなっても、それをありのまま受け入れよう
「・・・わかりました。」
自宅付近の電柱に取り付けられている電灯の下。
あたしは八嶋クンに見守られながら
自分の足の状態に
彼との関係の方向性を決めるよう委ねた。