ラヴシークレットスクール ~消し去れない恋心の行方
もうすぐ5月
三寒四温の季節が過ぎ、日中は少し汗ばむ日も増えてきたが
この時期の水泳部の部活は陸上トレーニングがメイン
ウチの学校には屋外プールしか設置されていないからだ
でも、練習時間をとりやすい土日などは市営の屋内プールの2コースを時間貸しで利用して実際に泳ぐ練習をしている
そのため、プールの利用は経費削減もあって男女一緒
「入江先生、おはようございます。」
『おはようございます。プールの手続き・・・』
「終わったとこです。」
『ありがとうございます。』
男子水泳部顧問の俺は女子水泳部顧問である体育科の女性教師佐々木先生と一緒にベンチに腰掛けて練習を見守る。
「顔色悪い~、入江先生。」
『昨日、ちょっと飲みすぎたみたいで。』
「なんで男の人は懲りないかな~、ウチのダンナも飲みすぎたって反省するくせに繰り返すんだよね・・・」
『おっしゃる通りです・・・』
「ヘタレっぷりが笑えるわね・・・ちょとと加藤!!!右手で水をかく動きが甘いわよ!」
話している最中でも部員にゲキを飛ばす佐々木先生。
さすが体育教師
しかも大学時代まで全国レベルの水泳選手として腕を鳴らしたとのこと
理学部でバレーボールサークル出身の俺にとって
佐々木先生は教師の先輩としても頼りになる存在
「ハイ、休憩!プールから上がって!!!」
佐々木先生の声を合図に部員達がゾロゾロとタオルを取りにこちらへやって来た。