お助け部ッ☆
「コイツが。」
そう言って爽やかくんを指差した。
…あ、前言撤回だわ。
あたし、傷ついたままだわー。
「俺かよっ!!まぁ別にいいけど…」
『いーのっ!?』
その言葉に何気に傷ついてた心が回復した。
「じゃあ行こーぜ」
『うんっ』
爽やかくんがグッと門を押す。
案外簡単にギィッと音を立てて開いた。
『鍵かかってないの!?無用心…』
「ここに泥棒は入ってこないからな」
『なんで?』
あたしが泥棒なら真っ先に狙うよ?金目の物がわんさか出てきそうじゃん。
「バカ。生徒や教職員でさえ迷子になるくらい広いんだ。詳しくない人間が入ってみろ?」
あたしの心を見透かしたように赤髪くんが言った。
確かに……100%迷う!
「生きて帰れないだろな」
1人で入んなくてよかったっ…!!
あたしはタイミングよく現れてくれた彼らに、心の底から感謝した。
「じゃ…俺、戻ってっから」
門をくぐると、あたしと爽やかくんは理事長室へ、赤髪くんは…たぶん寮へと、ここで別れた。