お助け部ッ☆
「お前生徒会でも入ってんの?」
校舎に向かって、花壇で挟まれた通路を並んで歩いていると、突然聞かれた。
『入ってないけど?』
ってか学校退学したし。
いや、退学させられてたし。
「そーなの?いやぁ…この学校に他校生の女来るのって生徒会で会議しに来たか追っかけぐらいだから」
『追っかけ?芸能人でもいんの?』
「芸能人っつか……有名人?」
『へー』
別に芸能人だろーが有名人だろーがあんまり気にしない。
そういやお母さんにもっと繊細になれってよく言われたなぁ……
でも興味ないんだから仕方なくない?
1人納得しているあたしを、珍しそうに見つめる爽やかくん。
きっと反応が薄かったからビックリしたのかな。
……ってか言っといたほうがいいよね??
『あのね、あたし転校生なんだよね』
「はっ?!え、でもまだ4月の始めで授業始まったばっかりなんじゃ……」
「ちょっと…色々あってね……」
うん。まさか父親の転勤にあたし1人、置いていかれるなんてね。
「……目が死んでるぞ」
『あぁ、ごめん』
「でもそっか、転校生…」
爽やかくんは考え込みだした。
「よし、ちょっと待ってね」
携帯を取り出すと、どこかへ電話をかける。
「あ、もしもし翔平?」
翔平って…さっきの赤髪くんだよね?
あたしはさっきの2人のやり取りを思い出していた。