お助け部ッ☆
…今の声って……
『わ…若…しゃちょサン……』
奥さんに一目惚れした若社長。
今回唯一、微妙な感じで終わってしまった人。
なんでここに?
まさか……まだ諦めきれなかったっとか??
でっかいバラの花束持ってるし……
「どうしても君が忘れられなくて…」
一歩一歩、お助け部のみんなをかき分け向かってくる。
とうとう奥さんの………
前、通りすぎたあ!?
「あそこまで僕を叱ってくれたのは君が初めてなんだ!!僕と結婚してくれ!!」
と言って花束を渡した相手は………
『まじっすか』
あたしでした。
「やっぱ来ちゃったねぇ」
「な」
冷静だったのは、惚れた瞬間を見ていた莉央と翔平だけだった。
「ダメ」
返事をしたのは竜也。
「君には聞いてない」
若社長は竜也を睨んだ。
「式場で言ったじゃん」
『わっ』
あたしの腕を掴むと、式場のとき同様に抱き寄せた。
「これ、俺のだから」
『ちょ…!?』
「ひゅ〜♪やっぱラブラブ?」
一昔前の冷やかし方をする翼先輩を一度睨むと、若社長は喚きだした。
「嫌がってるじゃないか!そうだ!!彼女に決めてもらおう!」
あたしは迷わず竜也に抱きついた。
別に嫌がってはないし、まず比べもんになんないし。
むしろあんたと比較されるはめになった竜也が可哀想だし。
「そんな!!」
若社長はその場に崩れ落ちた。
若社長の肩に、ポンッと手を置く莉央。
「元気出しなよ。アメあげるから」
続いて、翔平も。
「その外見で竜に挑んだあんたの勇気に乾杯だよ」
慰めてはないが。
『若社長さん?』
姫香は若社長の前まで行くと、しゃがんで言った。