お助け部ッ☆
どーしよぉ……
芽依ちゃんに勉強教えてもらおっかな……
放課後、帰る準備をしていた芽依ちゃんを捕まえて、早速頼んでみた。
「ごめん、無理」
アッサリ断られた。
『何故!?』
「彼氏と勉強する約束したもん♪」
『へぇ…』
彼氏と…………
彼氏と!?
『芽依ちゃん、男いたの!?』
思わぬ発表に、イスをこかしてしまうとこだった。
「何よその驚きっぷり。
あたしに男いるように見えないって?」
じとーっとした目で見てくる芽依ちゃん。
『芽依ちゃん、目が怖いー…
そうじゃなくて、お助け部のファン(?)じゃないの??』
大和先輩が放送かけただけできゃあきゃあ言って
さっきまで一緒にお茶してたあたしを平気で差し出そうとしたんだよ!?
「それは【好き】じゃなくて【憧れ】だから。
芸能人みたいなもん?」
『なるほど…』
芸能人ねぇ。
芸能人顔負けの容姿してるけど…
みんな普通なのになぁ…
「とゆーわけだから。
バイバイ!また明日〜」
『あ、ちょっと!!』
芽依ちゃんは、猛ダッシュで教室を出ていってしまった。
逃げられたあ……
本格的にヤバイぞ…高校は義務教育じゃないし……留年の可能性も!?
『…図書室行ってみよ……』
こうなったら自力で勉強してやろーではないか!!
そう決心し、最近やっと覚えた校内の教室配置を思い出しながら図書室へ向かった。
図書室───
『………。』
気持ち悪いくらい静かだった。
やはりテスト一週間前だけあり、どの生徒も全く喋りもせずに勉強していた。
聞こえてくるのは、
カリカリというシャーペンの音、
カチッというボールペンの音、
ペラッというページをめくる音、
ボリボリというポテトチップスを頬張る音ぐらい。
ポテトチップス……
明らかに場違いな音に、チラリと目をやった。