お助け部ッ☆



「大和!姫ちゃん!!もぉ聞いてよーっ!!」




キラキラした笑顔を振り撒きながら、ドタドタと近づいてきた翼先輩。




「あの自動販売機!やっと当たった!!ほら、ルーレットで当たりが出たらもう一本のヤツ!!おかげでココア2本も買えたし〜♪」




両手に持ったココアを、あたしたちに見せつけながら、それはそれは無邪気な子供のように大きな笑顔で言った。




……違う。




『違いますね。大和先輩』




この人は、自分を偽ってなんかない。

ってかそもそもそんな難しいこと、このバカには出来ないだろう。




「切り替えの早さは人十倍……だろ?」




大和先輩があたしの頭にポンッと手をのせて笑った。




『ただのバカじゃないですか』




あたしもつられて笑う。


ただ、このバカだけは。




「え?何?何の話??っつか何気にお前ら仲良くなってね?」




一人、あたしと大和先輩を交互に見ながら2本のココアを飲んでいた。











「じゃ、俺買い出し行ってくるから」

「ハンバーグカレーだぞ!!」

「わかってるって」




しつこく念を押す翼先輩に苦笑いを返して、大和先輩は会議室を後にした。


今度は翼先輩と二人きり。


……あたし、大和先輩の話でもう一個気づいたんだよね♪




『翼先輩』

「何?ココアはやんねーよ?」

『いらねーよ、別に。でも2本あるんだから1本どう?ぐらい社交辞令で言ってくださいよ』

「やだ。社交辞令で言って、もし姫ちゃんが受け取ったらどーすんの!?俺一生後悔しちゃう!!」

『あっそ』




……このバカ、見直してよかったのかな…




「で…どしたの?」




器のちっちゃい子供っぽい翼先輩ではなく、にっこりと微笑んであたしの話を聞こうとしてくれてる大人っぽい翼先輩がいた。


……切り替えマジ早ぇな。ついてけないぞ…




< 127 / 332 >

この作品をシェア

pagetop