お助け部ッ☆
『翼先輩と大和先輩って、付き合い長いんじゃないんですか?』
「そーだよ。かれこれ…17年になるな」
『…翼先輩、今年17歳でしょ』
「幼馴染みですからな」
初めからそう言えや。ややこしい…
「なんでわかったんだ?」
『大和先輩、翼先輩のことすごい解ってたから。お助け部ってみんな仲良くてお互いのことわかりあってるけど、2人にはなんか…別の絆?みたいなのがあるような気がして…』
翼先輩はちょっと驚いた顔をしていた。
でもすぐにニッコリ笑って、
「アイツは俺がいなきゃ生きてけないからなっ」
と、得意気に言った。
『逆も…でしょー?』
あたしがそう言うと、少し苦笑いして、
「大和には内緒な。はずいから」
と言った。
…男の友情って、うらやましい。女はこんな爽やかじゃないからね。なんか生々しいから、女ってマジで。
『あ、あたし今日掃除当番だ!翔平が昼寝する前に掃除機かけなきゃ…アイツの眠り邪魔しちゃ殺されちゃう……翼先輩は?』
ガタッと立ち上がると、姫香は荷物をまとめた。
「俺生徒会長の仕事まだ残ってるから。先帰ってて?」
翼は姫香に言うと、自分が座っていた席にある資料を指差した。
『まだあるんですか?手伝いますよ?』
荷物をもう一度机に置いて、戻ってこようとする姫香。
「翔平に殺されちゃうぞ?」
そう言うと、彼女の顔が青ざめた。
どんだけ怖いんだよ…
ま、翔平の目覚めの悪さは俺が体をはって教えてやったもんな。
『……すんません、帰ります』
彼女は申し訳なさそうに、でもダッシュで会議室から飛び出した。
「綾瀬姫香…ね。」
竜が気に入ったの、納得。
可愛い顔してるくせに、言いたいことはハッキリ言い切る強さ持ってるし。
俺と大和の関係見抜いた最短記録だわ。
…しかも生徒会長、見せたのに全く変わらず俺に接してきた女、初めてだし。
恋愛感情はないけど、あんな妹欲しいかも。
ふと、そう思った翼だった。