お助け部ッ☆



『翼先輩と大和先輩って、付き合い長いんじゃないんですか?』

「そーだよ。かれこれ…17年になるな」

『…翼先輩、今年17歳でしょ』

「幼馴染みですからな」


初めからそう言えや。ややこしい…


「なんでわかったんだ?」

『大和先輩、翼先輩のことすごい解ってたから。お助け部ってみんな仲良くてお互いのことわかりあってるけど、2人にはなんか…別の絆?みたいなのがあるような気がして…』


翼先輩はちょっと驚いた顔をしていた。

でもすぐにニッコリ笑って、


「アイツは俺がいなきゃ生きてけないからなっ」


と、得意気に言った。


『逆も…でしょー?』


あたしがそう言うと、少し苦笑いして、


「大和には内緒な。はずいから」


と言った。


…男の友情って、うらやましい。女はこんな爽やかじゃないからね。なんか生々しいから、女ってマジで。







『あ、あたし今日掃除当番だ!翔平が昼寝する前に掃除機かけなきゃ…アイツの眠り邪魔しちゃ殺されちゃう……翼先輩は?』


ガタッと立ち上がると、姫香は荷物をまとめた。


「俺生徒会長の仕事まだ残ってるから。先帰ってて?」


翼は姫香に言うと、自分が座っていた席にある資料を指差した。


『まだあるんですか?手伝いますよ?』


荷物をもう一度机に置いて、戻ってこようとする姫香。


「翔平に殺されちゃうぞ?」


そう言うと、彼女の顔が青ざめた。


どんだけ怖いんだよ…
ま、翔平の目覚めの悪さは俺が体をはって教えてやったもんな。


『……すんません、帰ります』


彼女は申し訳なさそうに、でもダッシュで会議室から飛び出した。





「綾瀬姫香…ね。」



竜が気に入ったの、納得。

可愛い顔してるくせに、言いたいことはハッキリ言い切る強さ持ってるし。

俺と大和の関係見抜いた最短記録だわ。

…しかも生徒会長、見せたのに全く変わらず俺に接してきた女、初めてだし。

恋愛感情はないけど、あんな妹欲しいかも。



ふと、そう思った翼だった。



< 128 / 332 >

この作品をシェア

pagetop