お助け部ッ☆


翌日───




「姫ちゃぁんっ♪」

『うぉっ!?』




教室で席についてると、いきなり莉央に抱きつかれた。




『な、何?』

「姫。お前保険入ってるか?」

『保険…?』




翔平が空っぽの仁の席に座って言った。


何を言い出すんだ?
も、もしや……




『保険金詐欺か!?てめっ、あたしに保険金かけて殺す気か!?』

「そんなことしねぇし」




や、コイツならやりかねんぞ……




「俺はお前を心配してるのに」

『棒読みにも程があるだろーが』

「ま、とにかく死ぬなよ?お前が死んだら竜が荒れる」

『死ぬ前提で話すな!あたしはあと80年は生きる!!』

「うざ」

『なんで!?』




あたしはこの子に何をしたのかな?何故ここまで嫌われてるのかな?
さすがに落ち込むぞチクショー!




「翔平〜。そこ俺の席〜」




仁がビスケットを食べながら近づいてきた。




「いーだろ、別に。お前は…床にでも座ってろ」

「扱いヒドッ!!せめて俺の席座っとけよぐらい言って!」

「…なんで?」

「いーよ!もう立ってるから!!」

「ビスケットちょうだい」

「お前自由だな!!どーぞ!!」




あ、あげるんだ。偉いね、仁。


ってか…あたしが嫌いなんじゃなくて、翔平がこんな性格なのか。


ひねくれてるわ。絶対くねっくねだわ。もう曲がりすぎて円描いてんじゃね?


うわっ!!こっち睨んでる!!読心術か!?心読んでんのか!?




「姫、顔キモい」

『んな!?』

「姫ちゃんさっきからずーっと悶々としてたよぉ?」

『いや別に…ってあんたいつまで抱きついてんのさ?』

「姫ちゃん抱き心地いいもん。僕のぬいぐるみコレクションに追加したいくらい♪」




ぬいぐるみコレクション…?




「だーめっ」

「ふぎゃっ」




莉央があたしから引き剥がされ、あたしは違う匂いに包まれた。





< 133 / 332 >

この作品をシェア

pagetop