お助け部ッ☆
翌日───
「姫ちゃぁんっ♪」
『うぉっ!?』
教室で席についてると、いきなり莉央に抱きつかれた。
『な、何?』
「姫。お前保険入ってるか?」
『保険…?』
翔平が空っぽの仁の席に座って言った。
何を言い出すんだ?
も、もしや……
『保険金詐欺か!?てめっ、あたしに保険金かけて殺す気か!?』
「そんなことしねぇし」
や、コイツならやりかねんぞ……
「俺はお前を心配してるのに」
『棒読みにも程があるだろーが』
「ま、とにかく死ぬなよ?お前が死んだら竜が荒れる」
『死ぬ前提で話すな!あたしはあと80年は生きる!!』
「うざ」
『なんで!?』
あたしはこの子に何をしたのかな?何故ここまで嫌われてるのかな?
さすがに落ち込むぞチクショー!
「翔平〜。そこ俺の席〜」
仁がビスケットを食べながら近づいてきた。
「いーだろ、別に。お前は…床にでも座ってろ」
「扱いヒドッ!!せめて俺の席座っとけよぐらい言って!」
「…なんで?」
「いーよ!もう立ってるから!!」
「ビスケットちょうだい」
「お前自由だな!!どーぞ!!」
あ、あげるんだ。偉いね、仁。
ってか…あたしが嫌いなんじゃなくて、翔平がこんな性格なのか。
ひねくれてるわ。絶対くねっくねだわ。もう曲がりすぎて円描いてんじゃね?
うわっ!!こっち睨んでる!!読心術か!?心読んでんのか!?
「姫、顔キモい」
『んな!?』
「姫ちゃんさっきからずーっと悶々としてたよぉ?」
『いや別に…ってあんたいつまで抱きついてんのさ?』
「姫ちゃん抱き心地いいもん。僕のぬいぐるみコレクションに追加したいくらい♪」
ぬいぐるみコレクション…?
「だーめっ」
「ふぎゃっ」
莉央があたしから引き剥がされ、あたしは違う匂いに包まれた。