お助け部ッ☆



ギギィィィ…と音をたてて門が開く。



「「若ァ!!お勤めご苦労様でしたァ!!」」



そこにいた人達、約10人。
みんな、イカツイ人をこれでもかと集めました的な顔してる。



「ただいま〜♪今日お友達連れてきたから、ちゃんとおもてなししてねぇ?」

「「へい!!」」



なんだこの異様な景色……


すっげぇ可愛い子がすっげぇイカツイおっさん達をまとめあげてるっ……!!



「「おぉっ!!」」

『うえぃ!?』



いきなり大声をあげ、あたしに注目するおっさん達に驚いて、思わず変な声が出た。



『な、なんでしょーか?』

「りゅ」



1人のおっさんがわなわな震えてあたしを指差した。



『りゅ?』

「竜坊っちゃんに彼女!!」


や、あたし彼女じゃないし。


「一大事だァ!!」


そこまで騒がなくても…


「赤飯を炊けーっ!!」


んな大袈裟な…


『あのあたし「組のみんなに知らせろ!」

『竜也の彼女「今夜は宴だー!!」

『じゃないん「ちょ、小豆ないんだけど!?」



………。



無視ですか。

勘違いしといて無視ですか。

みなさん、仁のお仲間ですか。



『ちょっと「だから小豆買ってきてって!!」

『話聞けよコノヤロー!!!!』



ぴたっと組員の動きが止まり、視線が集まる。


やべ。やっちゃった……


まぁ、やっちまったもんはしょうがないよ。うん。


どーせボコられんなら言いたいこと言ってからがいいよね。



『とにかく、人の話は最後までちゃんと聞く!』

「お嬢ちゃん、竜坊っちゃんの彼女じゃねぇのか?」

『あたしはお助け部の新入部員!』

「「お助け部の新入部員!?」」



わぁ。全員でハモるなんて、みなさん仲がいいんだね。



「大変だー!!」

「新入部員だー!!」

「今夜は宴だー!!」

「赤飯を炊けー!!」

「だから小豆ないんだってー!!」



さっきと変わってねぇじゃん!!
むしろグレードアップ!?




< 137 / 332 >

この作品をシェア

pagetop