お助け部ッ☆



「何ビクついてんの」



誰かさん……翔平。



『い、いきなり現れるから!』

「ふーん」



興味ないなら聞くな!!



「あ、恭介(キョウスケ)…」



翔平が恭くんを見て呟いた。


恭くんって恭介ってゆーんだね。



「兄貴、助けてよ!翼さんなんとかしてっ!!また俺の部屋に勝手に…」

「諦めろ。翼止めんのはめんどくさい」

「さ〜い〜た♪さ〜い〜た〜♪チューリップの花がぁ〜♪」



今度は【チューリップ】歌いだしたよ、翼先輩。やっぱりうまいし。


そんなことより、翔平も冷たいよねぇ。


恭くんが【兄貴、助けてよ!】って言ってんだから助けてあげたらいいのに………


助けてあげたら……


ん……?


【兄貴、助けてよ!】


あ、あにっ…



『兄貴ィィィ!?』

「姫マジうるさい…口にごま塩詰め込むよ」

『あ、それならぜひ黒ゴマで…って違うでしょ!!っつかスタンバイすんな!!』



仁からもらったごま塩(黒ゴマ)を一掴み掴んだ翔平を押さえて叫んだ。



「あーんは?」

『いらないって!辛いって!!』

「その人、兄貴の友達??」



恭くんがあたしと翔平を交互に見比べて言った。



「ううん、ペット。おて!」

『わんっ♪…バカぁ!!』



ついのっちゃった…

恭くんが肩震わして笑ってるよ……



『あたしはペットではなく!お助け部新入部員、綾瀬姫香。よろしく』



やっとまともに自己紹介出来たよ…



「お助け部の?新入部員なんて初めてだね。俺は暁恭介。翔平の実の弟だよ。よろしくね、姫さん」



ニコッと笑って右手を出す恭くん。



何この子ーっ!!
すっごいいい子じゃん!?
マジで翔平なんかと血、繋がってんの!?


あたしは差し出された手を握って、上下にぶんぶんふった。





< 142 / 332 >

この作品をシェア

pagetop