お助け部ッ☆
「何ビクついてんの」
誰かさん……翔平。
『い、いきなり現れるから!』
「ふーん」
興味ないなら聞くな!!
「あ、恭介(キョウスケ)…」
翔平が恭くんを見て呟いた。
恭くんって恭介ってゆーんだね。
「兄貴、助けてよ!翼さんなんとかしてっ!!また俺の部屋に勝手に…」
「諦めろ。翼止めんのはめんどくさい」
「さ〜い〜た♪さ〜い〜た〜♪チューリップの花がぁ〜♪」
今度は【チューリップ】歌いだしたよ、翼先輩。やっぱりうまいし。
そんなことより、翔平も冷たいよねぇ。
恭くんが【兄貴、助けてよ!】って言ってんだから助けてあげたらいいのに………
助けてあげたら……
ん……?
【兄貴、助けてよ!】
あ、あにっ…
『兄貴ィィィ!?』
「姫マジうるさい…口にごま塩詰め込むよ」
『あ、それならぜひ黒ゴマで…って違うでしょ!!っつかスタンバイすんな!!』
仁からもらったごま塩(黒ゴマ)を一掴み掴んだ翔平を押さえて叫んだ。
「あーんは?」
『いらないって!辛いって!!』
「その人、兄貴の友達??」
恭くんがあたしと翔平を交互に見比べて言った。
「ううん、ペット。おて!」
『わんっ♪…バカぁ!!』
ついのっちゃった…
恭くんが肩震わして笑ってるよ……
『あたしはペットではなく!お助け部新入部員、綾瀬姫香。よろしく』
やっとまともに自己紹介出来たよ…
「お助け部の?新入部員なんて初めてだね。俺は暁恭介。翔平の実の弟だよ。よろしくね、姫さん」
ニコッと笑って右手を出す恭くん。
何この子ーっ!!
すっごいいい子じゃん!?
マジで翔平なんかと血、繋がってんの!?
あたしは差し出された手を握って、上下にぶんぶんふった。