お助け部ッ☆
『よろしくー!!』
「ちょ、姫さんやりすぎ…」
「恭介に触んな。バカがうつる」
あたしから恭くんを引き剥がす翔平。
『な!?バカは空気感染しないから大丈夫だもん!!』
「姫さん、それじゃ自分がバカだって認めてるよ」
『っあ…』
「ほんとバカ」
クスッと笑った翔平は、和室を出ていった。
結局何しに来たんだ?
あたしをバカにしに来たのか!?
「…珍しいね」
『ん?』
「兄貴が女の子と絡むの。アイツ顔いいからモテんのに彼女つくんないからさ。一瞬姫さんのこと……」
はぁ!?
『ないっしょ』
「みたいだね。」
あ、即答なのね?
「でも仲いい女の子がいて良かった」
仲いい?
『恭くん、とりあえず眼科行っといで』
「あはは。姫さん、これからも兄貴をよろしくー」
爽やか〜な笑顔を見せたあと、翼先輩からキーボードを奪って部屋を出た。
やっぱ…兄弟には見えない…
兄・悪魔
弟・天使
みたいな?
「せっかく気分よく歌ってたのにぃ」
むぅ、と頬を膨らます翼先輩。
『にしても翼先輩、童謡ばっか歌ってましたね?』
「あー。うちの両親、保育園経営者だからねー」
『へー……えぇぇっ!?保育園!?』
「そだよ〜。言ってなかったっけぇ?」
聞いてねぇよ!!
「だから俺、ちっちゃい子超好き♪」
ニコッと微笑む翼先輩。
なんか意外に納得してる自分がいる……
エプロンつけて子供たちと笑う翼先輩の姿が頭によぎった。
『なんか似合います』
「マジで?やった♪」
しばらく翼先輩の実家の話を聞いていると、大和先輩が入ってきた。
「そろそろ始めるって。行くよ」
その言葉を聞いた瞬間、翼先輩の顔が一瞬で曇った。
「や、やだ」
「ダメ。姫ちゃんもおいで」
『あ、はい』
よくわかんないままのあたしと嫌がる翼先輩を、大和先輩が連れてきたのは……