お助け部ッ☆
「…ナマイキ」
はあ…?
顔を上げて見てみると、美人な女の子があたしを見下していた。
……誰?スゴイ美人だけど…
「あたしの蹴り、かわすなんて生意気ね」
『あ、すんません』
…ん?蹴り??
『あの、あたしのこと蹴るおつもりですか?』
「うん」
…マジ?
すると女の子は、すっと身構えた。
漆黒のストレートの髪がなびく。
わぁ…綺麗な髪…
トリートメント、めっちゃしてんだろーな。
なんて呑気なこと考えてる余裕なんてなかった。
「おりゃ!」
『ちょっと!?』
飛び蹴りをスレスレでかわしたあたし。
『何すんの!?』
「また…かわされた…」
…あれ?避けちゃうと…闘争心煽っちゃう感じ?
「もーっ!!」
『や、ちょ、もーじゃないってマジで!!』
飛び蹴りやら回し蹴りやらがあたしに降り注ぐ。
反射的にそれをかわす。
あたし、スゴくね!?
ベキッ
あ?なんか殴っちゃったかも?
ってそんなこと気にしてらんない!!
「当たれー!!」
かわせばかわすほど彼女は本気に……
なんなんだよ!!
っつかコレもう蹴られた方が楽じゃね!?
蹴られちゃおっか!?
ドカァ!!
彼女の蹴りが当たったドラム缶がへこんだ。
……………。
無理無理無理無理無理!!!!
痛ッ…
じゃすまない感じじゃん!!
ドラム缶がへこんだよ!?
…ってかなんで室内にドラム缶!?
とりあえず、当たったら確実に死……
『ぎゃあぁあぁぁあぁ!!』
「姫香」
『え?ぉわっ』
いきなり腕を引っ張られ、視界が真っ暗になった。