お助け部ッ☆



『ん?』




顔をあげると、




「もう大丈夫」




竜也のドアップ。




『りゅりゅ、竜也!!』




また抱き止められたんだ、あたし…




ふと振り返ると、女の子はおとなしくなって……









ない。


むしろ殺気倍増!?




「ゆっきー、姫香にケンカ挑んでどーする気だよ?」




ゆ、ゆっきー?




『あの…どちらさん?』

「相沢祐希(アイザワユキ)。莉央のいとこなんだ」




莉央のいとこ…
あたし、莉央のいとこちゃんに殺されかけなきゃなんないことしたか?




「だってムカつくんだもん…」

「何が?」

「今までお助け部のみんなはあたしのこと可愛がってくれてたのに、いきなり現れたコイツにとられちゃったんだもん!!

だから腹いせに一発と思ってたのに全部避けるんだもん!!」




あ、なるほど。ヤキモチってやつか。


ってヤキモチであたし半殺し!?


冗談じゃねぇ!!




「……ゆっきーの蹴り、全部避けたの?」

『え…まぁ…反射的に?』

「すっげー!姫香!!ゆっきー、空手のジュニア大会優勝経験者だぞ」




まじっすか。
あたしそんな子に……


マジ命拾いしたあ!!




「さっすが姫香ーっ」




ぎゅうっと竜也が抱きつく。




『ちょ、苦しっ…』

「う、うわーんっ!!」

『あ、ゆっきー!!』




ゆっきーは泣きながら飛び出してった。




「あれ?ゆっきー?」




…鈍感だ、コイツ。




『竜也のバカ』

「え?」

『助けてくれてありがとね?でも助けてくれたおかげであたし死ぬかも』

「なんで!?」




女のヤキモチって恐ろしいし。




「「姫」ちゃん」




気づくとお助け部のみんなに囲まれていた。




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