お助け部ッ☆
「ごめんねぇ、姫ちゃんっ!ゆっきーが…」
莉央がウル目で見てきた。
うん、許す!
『大丈夫だよ、莉央』
「え、姫ちゃん無傷なワケ!?すご!!」
『翼先輩、足から血が出てます』
「おぉぅ!!さっきのヤツだ!!大和ぉ…」
「俺のせいにするな。勝手に5枚に増やしたの翼だろ」
どこまでも黒いな、この人。
「俺の親切心!!」
「はいはいケンカすんな。めんどくさいから。」
仁がわって入った。
「ってか姫、ゆっきーに勝てたんだから鍛えたら強くなるんじゃね?」
あー…これからいろんな女の子に目の敵にされるかもしれないもんね、あたし。
こんなにイケメンに囲まれてんだもん。
「師範、僕やるよ〜?」
飛びっきりの笑顔で莉央が言う。
「いいじゃん!俺たちも莉央に鍛えられた組員に鍛えられたんだから。莉央直々ってなかなかねぇぞ?」
翼先輩も後押し。
…莉央に鍛えられた組員に鍛えられた……
みんなこんなに強いのに、そんなみんなを育てた人を育てた莉央って………激強?
「ダメ!!」
が、何故か竜也だけ反対。
「なんでだよ?」
「だって…これ、出来なくなんじゃん?」
またぎゅうっと抱きしめられた。
あ、忘れてた!あたしまだ竜也の腕ん中に……
「はわぁ…竜ちゃんの変態〜」
「動機不純だぞ、竜〜」
莉央と仁に冷やかされる竜也。
とにかく放せや…はずいんじゃあっ!
「あ、でもでもっ!姫のピンチを助けるのが王子の役目だもんな!!姫が自分で敵倒しちゃったら王子の出番なくなっちまうし?」
「助けられた姫は少なからず王子にトキメクはずだもんな。そしたら2人がくっつくのも早まるわけだ」
翼先輩と大和先輩の言葉に、竜はニッコリ笑って、
「そゆこと☆」
と答えた。