お助け部ッ☆
「祐希ちゃん、落ち着こーぜ?」
翼先輩がゆっきーの頭を撫でた。
「安心しな?姫ちゃんを女の子扱いしてんの、竜だけだから」
『大和先輩、とりあえず泣いていいっすか』
「やめとけ。泣き顔美人なんてごく少数だぞ」
あたしの肩をポンッと叩いて、翔平が言った。
なんでここで最強コンビがタッグを組む?
あたしを守るどころかけなしてんじゃん!!
遠回しに女っ気のないブサイクって言ってんじゃん!!
わかってるさ!だから言うな!!
それを見ていたゆっきーが一言。
「………じゃあいいや」
『ちょっとぉ!?お前には色気がないから心配ないって!?』
「姫、ゆっきーそんなこと言ってないよ?自分で言ってて悲しくない?」
仁!そこはツッコむな!
「アンタ名前は?」
『はぇ??あ、綾瀬姫香ですけど…』
「あたし、相沢祐希。なんかあなた相手にムキになるなんてアホらしいからやめるわ。これからは仲良くしましょ?」
『……あの、仲良くする気ある?』
「もちろんよ」
そう言って右手を出した。
なんだこの上から目線は。
すっげぇ敗北感。
あたしは竜也の腕から抜けると、ゆっきーの前に立った。
『こちらこそ。よろしくね?ゆっきー』
その右手を握り返した。
「なんか…火花散ってねぇ?」
「あ、じんじんもそう思う?ゆっきー、お助け部みんな好きだけど、たぶん本命は竜ちゃんだからねぇ」
「マジか。てことは結局本命とられたことになったんだ…」
「まぁ姫ちゃんだし」
「平気だな」
姫香だから。
それですべてがまとまった。