お助け部ッ☆
『だからなんであたしが?』
「姫だから」
『そうです、あたしは姫香です。だからなんなのさ?』
「姫だから?」
『翔平さん。会話のキャッチボールしよ?』
「姫だし」
さっきからこれの繰り返し。
あたしと翔平は、エコバッグの譲り合いをしている。
『いやいやいや。理由になってないしね?あたし、むしろお客さんサイドじゃん?』
「俺も客サイド」
『そんな態度デカイ客初めて見たよ。ってか弟が居候してんだからその恩恵を込めて行ってきなって』
「それはアイツが勝手に………アイツに頼むか」
『そーだよ、恭くんが恩恵を込めて行ってくればいいんだよ』
とにかくあたしに押しつけられんのだけはごめんだ。
「恭介」
「はいは〜い?」
翔平に呼ばれてちょこちょこ出てくる恭くん。
なんか犬っぽい…
ってか恭くんも美形だよねぇ〜。さすが翔平の弟。
「はい」
恭くんにエコバッグを渡す翔平。
「ん?買い物?」
「赤飯炊くのに小豆がないんだとさ」
「ふ〜ん。わかった」
あぁ、可哀想な恭くん。
きっと翔平にパシられんのが嫌で莉央ん家に居候してんだよ。
「はい」
あたしにエコバッグを渡す恭くん。
『へ?』
「赤飯炊くのに小豆がないんだって」
「ふ〜ん。わかった……ってなるかぁ!!何ループを描くように繰り返そうとしてんだよ!!」
ってか恭くんも人パシるよねぇ。さすが翔平の弟。
『………え?何?流れ的にあたしが買いに行く、みたいな?』
「「えー、ホントに?ありがとー。助かるよー。」」
『誰かー!この棒読み兄弟ぶっ飛ばしてぇっ!!』
結局……行くことに。
行きゃあいいんだろ!?
小豆ぐらい買ってきてやるよ!!