お助け部ッ☆



竜也が携帯を開いたときだった。



「ちょっ、莉央さん!!大変です!!」



恭介が大慌てで駆け込んできた。



「恭ちゃん?どーしたの〜?」

「恭介、何それ」



翔平が恭介の持ってる手紙を指差した。



「兄貴も見て!!ポストに入ってた!!」



恭介から受け取った手紙に目を通す翔平。
のぞき込む莉央。



「竜ちゃん、SP呼んじゃダメ」

「はっ?」



竜也が手を止めて莉央を見た。

せっかくの良案を止められた竜也だが、莉央の真剣な顔を見てキレることはなかった。



「思ったより厄介なことに巻き込まれたみたいだ。あのバカ」



翔平が手紙を見ていない4人に見えるように持った。



【女を2人預かった。我々の要求はただ一つ。総長の座を佐野組の組長に譲れ。】




「うわ〜。素っ気ない文章だな。女2人ってことは…姫ちゃんと…ゆっきー…てか莉央、総長って?」



翼が莉央に聞いた。



「うちの組ね、5つの組と同盟結んでるんだよ。その5つの組の組長達のリーダーがじぃじなんだよねぇ…

姫ちゃんにさっき説明した通り、じぃじは組と血縁関係がないから、組長たちは納得してても、いろんな人から反対されてるみたいで……しかもこの佐野組の組長だけは…何考えてるかわからない」



莉央がしゅん…とした顔で言った。



「要求拒否った場合、人質がどうなるか書いてないな」



言いながら、大和はチラリと竜也の方を見た。



考えてる、考えてる…。



「ごめんね…僕ん家の問題に姫ちゃん巻き込んじゃって…」

「莉央は悪くないよ。悪いのは拐ったバカ共だ。俺らお助け部を敵に回すとどうなるか…末裔まで語らせてやるよ……」



竜也の目が怒りに燃えていた。



やっぱ言うと思った。竜、姫ちゃんに本気だもんな……間違っても姫ちゃんには惚れちゃダメだな。



……絶対ありえないか。



好みのタイプは物静かな子、の大和だった。




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