お助け部ッ☆
「おはよう、お嬢ちゃん」
白髪で細い目が優しい印象をあたえる、少しポッチャリしたおじいさん。
あ、姫香が起きてたら…
『カーネルさん!!』
って言うだろな……
無駄に冷静な祐希。
「乱暴なお出迎え、ありがとうございます」
腹筋を使って起き上がると、ニッコリ笑ってみせた。
まぁ目は笑ってなかったのだが。
「きっと今頃、山口組は大慌てだよ。君、ずいぶん可愛がられてるようだね」
「そりゃあんな男所帯にこんな美人ですもの」
「ははっ。肝がすわってるな。さすが、といったところかな」
にこやかだった佐野の顔が、急に真剣になった。
「君に恨みはないんだが…君のボスに用があってね。お友だちまで巻き込んじゃって悪いね」
そう言ってチラリと、未だに眠り続けている姫香に目をやった。
…守らなきゃ。姫香は一般人なんだから…あたしが守らなきゃ……
『はいっ!!』
「「!?」」
寝てたハズの姫香が叫んだ。
『そぉ…立派に育てあげた赤飯なんです…むにゃ…』
寝言ォォ!?
っつか立派に育てあげた赤飯って何!?どんな夢みてんの!?
…前言撤回。
こいつ一般人じゃないわ。
「…随分とユニークなお友だちだ」
「こんなの、友達じゃないわよ。…だから彼女は関係ない。人質なんて、あたしで十分じゃない。おとなしくしててあげるから、その子放して」
「優しいんだな。極道の女には勿体ない」
「あら。あたし、この世界好きよ?あんたらみたいなクズも多いけど、ウチは…山口組は違うから」
祐希と佐野のにらみ合いが続いた。