お助け部ッ☆



「ここか…」




竜也を筆頭に、お助け部は大きな門の前に立っていた。


外観は莉央ん家そっくり。

表札があるはずの場所には【佐野組】の文字が。


そう、ここは佐野組正面玄関。

お助け部は裏門に回り込んだりなど、侵入はしない。
正面から正々堂々乗り込むのだ。




「…いいのか?莉央」




翔平が呟いた。




「こいつ、マジで壊滅させる気だぞ」




視線を竜也に移しながら言う。


その竜也からは、なんともいえない殺気が滲み出ていた。




「いいんだよ♪僕もそのつもりだし?」




いつもの可愛い姿、可愛い声に変わりはない莉央。


が、指や首をバキバキ鳴らしながら準備運動をしている彼は………めちゃくちゃ怖い。




「っつーか今回俺ら出番なくね?」




翼の呟きに、仁と大和と翔平は頷いた。




「殺気立ってるのが2人。佐野組壊滅まで…30分てとこか」

「大和の計算があってたとして…俺ら30分どうする?」




仁の言葉に、潰す気満々の2人以外は悩んだ。



だって………


ピンチを救う王子様になって惚れさせるって竜也が言ってたため、姫香を助けるのは竜也の役目なわけで。


でもって………


部内最強の武力を誇る莉央がご立腹なわけで。





することなくね?




< 159 / 332 >

この作品をシェア

pagetop