お助け部ッ☆
「ここか…」
竜也を筆頭に、お助け部は大きな門の前に立っていた。
外観は莉央ん家そっくり。
表札があるはずの場所には【佐野組】の文字が。
そう、ここは佐野組正面玄関。
お助け部は裏門に回り込んだりなど、侵入はしない。
正面から正々堂々乗り込むのだ。
「…いいのか?莉央」
翔平が呟いた。
「こいつ、マジで壊滅させる気だぞ」
視線を竜也に移しながら言う。
その竜也からは、なんともいえない殺気が滲み出ていた。
「いいんだよ♪僕もそのつもりだし?」
いつもの可愛い姿、可愛い声に変わりはない莉央。
が、指や首をバキバキ鳴らしながら準備運動をしている彼は………めちゃくちゃ怖い。
「っつーか今回俺ら出番なくね?」
翼の呟きに、仁と大和と翔平は頷いた。
「殺気立ってるのが2人。佐野組壊滅まで…30分てとこか」
「大和の計算があってたとして…俺ら30分どうする?」
仁の言葉に、潰す気満々の2人以外は悩んだ。
だって………
ピンチを救う王子様になって惚れさせるって竜也が言ってたため、姫香を助けるのは竜也の役目なわけで。
でもって………
部内最強の武力を誇る莉央がご立腹なわけで。
することなくね?