お助け部ッ☆




……ってゆー場面ならありがち。





しかしながら、目の前に広がっている光景は……………逆。





ロープで縛られてるのは姫香。



だが、殴られそうになっているのは佐野組組長のおじいさん。



同じくロープで縛られていた祐希が、巻き添えにならないように避難していた。



竜也と莉央も、状況は飲み込めていないがとりあえず避難している様子。



仁と翔平は、竜也と莉央と合流すると、まず祐希を助けに行った。







「遅いし!!姫香が大暴れして大変だったんだから!!」

「姫香、どうしちゃったんだよ?」




竜也が祐希のロープをほどきながら聞いた。


祐希はため息をつきながら一言。




「夢、見てんのよ」

「「夢?」」




4人の声が重なる。




「ってことは姫ちゃん…今、寝てるの?」




莉央の言葉に、全員の視線が姫香に向いた。





「ちょっとォォ!!わし今年75歳だからァ!!高血圧だからァ!!暴力はダメだよ、お嬢ちゃん!!ご臨終しちゃうぞォォ!?」




わめく佐野章造(サノショウゾウ)75歳。




『………』




それに対して無言の姫香。




「お、お嬢ちゃん?」

『…だとしても……』

「ん?」

『だとしてもやはり赤飯畑は譲れませんな』









「どんな夢ーッ!?」




仁が思わずつっこんだ。




「赤飯畑だろ?佐野に取られると思ったんじゃない?」

「翔平、冷静な解説はいいから!!っつか赤飯畑ってなんだよ!?」




目を瞑ったまま、何やらブツブツ寝言を言い、佐野を翻弄させていた。




「姫香、寝言可愛いー」

「可愛いか!?赤飯畑、可愛いか!?竜も重症だな…」




とにもかくにも、寝たまんま、赤飯畑を守るべく(?)佐野と戦っている姫香。



俺らも負けちゃいられない。



そう思った時、ちょうど佐野の部下達が蔵の中に集まってきていた。






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