お助け部ッ☆




「傷ついてないだろうっ!!むしろこっちだからッ!!仲間傷つけられたのこっちだからッ!!」




確かにそうなのだが。




「……んなもん、知るか」




莉央はその一言で片付けた。




「……なんか…莉央が翔平に似てきてるよ…」




仁がポツリと呟いた。




「不満なわけ?」




翔平がギロリと仁を睨む。




「滅相もございません」




まさに【蛇に睨まれた蛙】状態。


なんとかこの状況を打破しようと、仁が話題を変えた。




「な、なぁ!!どうやって姫助ける?」

「ほっといても大丈夫だろ」

「お前冷たいな…」




言いつつ、内心は同感だった。


だって──……


アイツ緊張感0だもん!!薬使われたのかも知れないけど、まだ爆睡してるもん!!いい加減目ぇ冷まさねぇと!!主人公が寝っぱなしはマズいっしょ!?










「早く姫ちゃん、返してよ」




莉央が佐野に言った。


佐野はフッと笑って懐から小刀を取り出した。




「わしらをナメてもらっちゃ困るよ。こっちには人質がいる。お嬢ちゃんを助けたいなら山口組にある総長の権利書、渡してもらおうか」




まだ佐野の横に転がって、未だ爆睡中の姫香を抱き起こすとナイフを突きつけた。




「交換条件?セコいね」




莉央はポケットの中に手を突っ込むと、紙切れを取り出した。




「これ?」




莉央が取り出したのは権利書。莉央のおじいさんが総長であることを、同盟の組の組長達が認めた証。




「それだ!」




佐野が手を伸ばした。



その時。




『いけませんぞォォッ!!』

「「?!」」




姫香が叫んだ。




「姫、目ぇ覚めたんじゃ…」





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