お助け部ッ☆
『赤飯の収穫は初夏!!まだ早いんだよォォ!!』
「また夢ェェェ!?ってか赤飯て収穫出来んの!?そして初夏なの!?」
姫香の意味不明な寝言が邪魔したが、フッと莉央は笑うと佐野に近づいて行った。
そして目の前で立ち止まる。
「タネも仕掛けもございません♪」
権利書を表、裏、とヒラヒラさせて佐野に見せびらかす莉央。
まるで…手品をするかのように。
「なんのつもりだ」
「ちょっとぐらい付き合ってくれてもいいでしょー?」
普段の調子に戻った莉央に、佐野はなんとなく従い、莉央の行動を見つめた。
「大和、ライター」
「ほい」
大和は莉央に向かってライターを投げた。
「な、なんで持ってんの?」
まさか、喫煙!?と続ける仁。
「違うよ。あそこの組員さんが貸してくださったんだ」
大和の視線を追うと、みんなトランプで切られたかすり傷だけなのに、ただ1人ズタボロの人がいる。
「……大和、それはねぇ…貸してもらった、じゃなくて、恐喝したって言うんだよ」
「へぇ、そうなんだ。初耳だな」
嘘つけェェェ!!素晴らしき棒読みだしッ!!
「着火〜♪」
ボウッと音を出して燃える権利書。
「莉央ォォ!?何してんのォォ!?」
「ちょっ…えぇ!?何して…えぇぇえぇえぇ!?」
仁と佐野は驚くが、莉央、大和、翼、竜也は冷静。
「莉央」
竜也はあまりの衝撃に、固まっている佐野をチラリと見た後、
「グッジョブ」
と、親指を立てた。
「いや、いい仕事してませんからァァァ!!どうすんの!?権利書燃やしちゃったよ!?………あ。そっか、これ手品…」
「忘れたのか?【タネも仕掛けもございません】っつってたろ」
「…えーと、翔平さん。それはつまり?」
「ガチで燃やした」
「えぇぇえぇえ!?ちょ、お前らも何か言えよ!!」
仁は他の3人を振り返った。