お助け部ッ☆
「もー!んなことで朝っぱらから叫んでんじゃねぇよ。いいじゃん別に。たかがテストじゃん」
頭を掻きながらあくびする翼先輩。
『何その余裕発言!!翼先輩もしかして頭いいの!?』
「そんなんじゃないけど…」
「姫ちゃん、そんなに焦らなくても大丈夫だよぉ。授業ちゃんと聞いてれば赤点はとらないよ?」
『……それは…【授業ちゃんと聞いてれば】でしょ…?』
「……聞いてないんだねぇ…」
莉央の呆れ視線が降り注ぐ。
うぅ……
『だってあの席!窓際の一番後ろ!!眠くなるんだよぉ…』
「そりゃあ寝てる姫ちゃんが悪いね。そして手を放して」
翼先輩がもう一度あくびをしながら言った。
「朝早く起きれたんだから今日1日勉強すればなんとかなるんじゃないかなぁ?」
あたしを慰めるように、莉央が笑った。
『そぉかな?まだ間に合うかな??』
「「間に合う間に合う」」
二人はコクコク頷いた。
『よし!やろっと!!』
午前9時20分。
「「………」」
リビングで立ちすくむ翼と莉央。
その視線の先には………
『…いや…もぉお腹いっぱ……食べます』
「食うのかよ!」
幸せそうに眠る姫香の姿。
勉強するつもりだったのか、広げられた教科書と真っ白なノート。
開始まもなく眠りについたのだろうか。
「翼っち、寝言にツッコんで楽しい?」
「いや、虚しい。っつか姫ちゃん勉強は!?」
翼は、姫香に呼びかけてみた。
『…まだいけます、食べまふ…』
「いやお腹いっぱいなら無理して…ってちがーう!!」
「翼っち…」
莉央は翼の肩に手を置くと、首を左右に振った。
もうやめておけ、とゆーことだ。