お助け部ッ☆
「ココア飲む?」
『飲むー♪』
やっぱり、と言いたくなるほど、談話室もまた広い。
白いフカフカのソファーが向かい合わせに2つ置いてあった。
キッチンまでついてる。
お坊っちゃまはそのキッチンの前に立つと、慣れた手つきでココアをいれてくれた。
みっちぃの言う通り、お坊っちゃまは嫌なヤツじゃなかった。
むしろ超いい人。
談話室まで手ぇ貸してくれたし、ココアいれてくれるし。
『うまっ♪』
温かいココアが、恐怖で強ばってた体を溶かしてくれた。
「そりゃよかった」
ニコッと笑ったお坊っちゃま。
………。
さっきは暗くてよくわかんなかったんだけど…
このお坊っちゃま、どっかのモデルさん?てなぐらいカッコイイんです…
栗色のサラサラした髪に、長いまつ毛で覆われた二重で茶色がかった瞳。
筋肉質みたいだけどスタイルいいし、カッコイイとも可愛いとも言える整った顔してる……
なんだよ、今日はイケメンの日なのか?
「お前、かわってるな」
『は?そう??』
あたし、そんなにジロジロ見てたかな?
彼はストン、とあたしと向かい合わせにソファーに座った。
「うん。俺に微笑み向けられて気絶しない女、母さんと理事長以外いないハズなんだけど」
ナルシストー?!
いやいや、そんなナルシスト発言をサラリと言われてもリアクションに困るといいますか、なんといいますかっ…!!
「って、理事長が言ってたのに」
絶妙なタイミングで付け加えた。
その間はなんだったんだよ!?
『……あ、そう』
やっぱただの天然か。
彼ののほほんとした表情から、あたしはそれを悟った。