お助け部ッ☆



『あたしっ…ちょっと行ってくる』

「俺も」




姫香と仁が立ち上がった。




「止めとけ」




翔平が止める。




「ケンカになりゃ理由はどうあれ停学だ。それこそテスト受けられなくなる」




その言葉に姫香はふっと笑った。




『ケンカにならなきゃ問題ないんでしょ。あたしはか弱い少女!ケンカなんて出来ない!!』

「「嘘つけェ!!」」




仁と翔平がハモった。




『ハモんな!!』




思わず握った拳を緩めた。

いけないいけない。

あたしはか弱い乙女、綾瀬姫香。

暴力なんて振るわない!




『…とにかく!あたしは行く。ってか…翼先輩や大和先輩のためってゆーより自分のためかもしんない』

「この不正だけは…何がなんでも許せねぇ…」

『「血祭りじゃあァァ!!」』





光速超えたな…





と、残された3人が思うほどのスピードで、姫香と仁は飛び出していった。





「そりゃあ…怒るよね。自分たちがあんなに一生懸命やってる傍らで不正なんてされちゃあ…」




莉央が苦笑いをこぼした。




「大和のことだから多分、そいつらの名前知ってるだろうな…全員処分してやろ」




竜也が呟いた。




「別にいいんじゃない?ほっとけば」




翔平が唐揚げを口に放り込んで言った。




「あの2人のことだ。俺らが何かしなくても、パッパと解決すると思う。多分、初めてじゃないだろうしな」

「言ってくれればお助け部総動員でシメんのに」

「竜ちゃん、さっきから言動が怖いよぉっ!…それと……翔たん、今回はパッパと解決出来ないかもよ…?」




莉央が思い出したように言った。




「…だから言いたくなかったんだ。仁と姫の前では」




パッパと解決できそうな問題に、おバカが若干2名…首をつっこむと…



果たしてどうなる?






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