お助け部ッ☆
「なぁ、翔平?」
「ん?」
寮に残された3人。
竜也がふと、思い出したかのように口を開いた。
「あの2人、毎回呼び出されてんの?」
「たぶん。アイツらそーゆーことはあんまり話さないから」
「僕、そんなこと一回もないのに…」
「俺も」
「……ある」
「「あるのぉっ!?」」
2人があんまり驚くから、一瞬ビクッとした翔平だが…やがて、思い出したらしく、ため息をついた。
「俺の首席入学が気に入らなかったみたい。入学式が終わったあと…囲まれた」
「うわー、可哀想!………囲んだヤツら」
竜也が心配したのは、翔平じゃなくて【囲んだヤツら】。
「俺の心配は?」
「しない!」
「囲んじゃった人たちは…翔たんのこと知らなかったんだもん。可哀想だよぉ」
莉央もまた。翔平ではなく、【囲んだヤツら】の心配。
翔平はもう一度ため息をついた。
「で?で??」
「どーしたのっ?」
興味津々で聞く竜也と莉央。
「そりゃあ……ご想像どーり?」
「「うわぁお。」」
2人が苦笑いを溢す。
それ以来、一度も呼び出されてないことから……
相当だったんだろう。
心の底から【囲んだヤツら】を哀れんだ竜也と莉央だった。
そして同時に。
自分たちが呼び出されないのも、翔平とつるんでるからなのだと悟った。
「姫ちゃんとじんじんじゃなくて翔たんが行けば即解決だったんじゃ…?」
「同感」
「いやぁ、一応先輩たちだしね?1年がでしゃばったマネしちゃいけないと思うんだ」
「「その棒読みなんとかしようよ…」」
なんだかんだで……結局は動かない3人なのである。