お助け部ッ☆
『っあーッ!スッッキリしたあ!!』
姫香はぐーっと伸びをして、叫んだ。
『なんかスッキリしたらお腹空いたな…あ!そーいやご飯中だったんだ!!帰ろー……あら?』
振り返ってみると、
『なんか……遠くね?』
翼も大和も仁も5、6メートル離れたとこから姫香の様子を伺うように見ている。
「いやー…姫ちゃん、結構言うなぁ」
大和の後ろからこっそり顔を覗かせながら翼が言った。
「思ったよりガッツリ言うタイプだったんだな」
大和も珍しいものを観察するかのように姫香を眺める。
「姫かっけぇ!!」
仁は、まだ大和に捕まったままだが…目をキラキラさせている。
『いやぁ…それほどでも』
頭を掻きながら照れる姫香。
「なんか姐さんってカンジ?」
「むしろ兄さんじゃないか?」
「姫すっげぇ!!」
『……褒められてる?これ』
「「「褒められてる褒められてる」」」
そうなのか?と1人考え込む。
「よっしゃあ!世話んなった姫ちゃんに唐揚げ3個プレゼントしちゃおう♪」
『マジッスか!?』
「俺なんもしてねーな…」
寮に向けて走り出した姫香と、それを追いかける翼の背中を見ながら仁は呟いた。
「そーだな。役立たず」
グサリと仁のハートを突き刺す大和。
「ほっとけェ!!…ったく、なんで言わなかったんだよ?」
「いっつも適当にやり過ごしてきたからな。誰もケガしないかわりに毎回途絶えず呼び出されるわけだけど……それも今回で終わりかな」
「まさか先輩怒鳴りつけるなんてな」
「姫ちゃんに怖いものってあるのか?」
「………きっとアナタです」
「何か言った?」
「いーえ?さ、帰ろ!」
仁が強引に大和を引っ張って、寮へ向かって歩みを速めた。