お助け部ッ☆
一週間後───
「聞いて!聞いて!!聞いて!!!聞いて!!!!聞いてぇぇ!!!!!」
バーン!!と、ものすごい勢いで寮の扉が開いた。
「あ、仁。おかえりー」
みんなが口々におかえりと言うが、彼の耳には届いてない。
「俺、補習組入んなかったー!!!!」
「マジで!?」
「おめでとー!!」
「ありがとー!!」
今日は順位発表の日。
仁は勉強の成果を発揮し、見事、補習組を免れることが出来たのだった。
「よかったな!お前、中学の時から万年補習組だったのに…」
翼が我が子の成長を喜ぶ母親のように涙ぐんで仁の頭を撫でた。
『…ねぇ……そんな万年補習組の仁が…どうしてこの学校受かったの…?』
「あー。俺、スポーツ推薦で来たから。実技テストしかしてな……く、て…?
………あれ……姫…?」
いつの間に帰ってきたのか、先程までいなかったはずの姫香が………全身に負のオーラを纏って隅っこに体育座りしていた。
『そっかぁ…だからこの【名門】私立高校、受かったんだぁ………チクショー!この運動バカー!!あんたは運動さえしてりゃいいんだよォォ!!何気に勉強までこなしてんじゃねェェ!!』
「姫ェェ!?ちょ、姫がご乱心ー!!」
仁と姫香の追いかけっこが始まった。
「なんで…あんなに荒れてるんだ?」
大和が莉央に聞くと、
「姫ちゃん、おもいっきり補習組入っちゃったんだ…」
莉央は順位表をテーブルの上に置いた。