お助け部ッ☆
「おーい、戻ってこーい」
『はっ!……すんません』
昨夜のことを思い出していた姫香は、若干フリーズしてたらしい。
「顔赤い」
『そのことには触れないでいただきたいです』
「ふーん」
納得したのか否や。神山はそれ以上の詮索はしなかった。
とゆーか。
…竜、手ぇ出したな。
気づいてた。
あーぁ。最近竜が軽い…
翼よりチャラ男なんじゃないの?アイツ……
翼は女の子みんな好きだけど、絶対手ぇ出さないだろ?
竜は…姫以外興味ないみたいだけど、ポンポン手ぇ出すからな…
ってことはつまり……
「ただのキス魔…?」
『に゙ゃ!?』
神山の呟きにビクリと反応する姫香。
「………。」
『………。』
沈黙が、辛い。
「とりあえず……頂上行くぞ」
『そーですね…』
この話題はこれ以上広げないことにした。
当事者(竜也)がいないので、変な誤解を招いてお互いに気まずくなったらめんどくさい。
『おー!!』
「すっげぇ…」
頂上に着いた2人は、感激のあまり、それしか言えなかった。
『すっごいキレイ!!』
「やべーな、こんな絶景初めて見た…」
2人が登っていたのは、ここらで1番高い山。
おかげで景色を一望出来る。
澄みきった青空に薄くかかった雲。
山の所々に色とりどりの花が咲き乱れている。
心地よく吹き抜ける春風が、なんとも言えないくらい気持ちいい。
『んんーっ』
ぐーっと背伸びする姫香。
『ホント気持ちいいや〜♪ね、神山さ…神山さん?』