お助け部ッ☆
『へぇ…スゴイんだね。ホントに有名人じゃん』
そう呟いて、ぽいっと新聞を投げた。
………え?
目が点になった。
「そ、それだけっ!?」
『何が?』
思わず身を乗り出してしまった。
掴みかかろうとしたのはさすがに我慢したけど。相手女の子だし。
「他になんかないの?だってここ、見た目だけ金持ち校で、実際の金持ち俺ぐらいなんだよ?
『御曹司なんだー!すごーい☆』
とか、声1オクターブ上げて言ったりしないの!?」
今まで出会った女はみんなそうだった。
だが、この女はたった一言。
『御曹司なの、聞いてたもん』
ケロッとした顔でそう言った。
『それに…あんたそれ…自分で言ってて恥ずかしくない?』
そして大爆笑しだす始末。
……確かに恥ずかしーよ?
自分から媚びてこいって言ってるようなもんだし。
でも確かめたい。
この女は…今まで出会ったヤツらとは……違う…?
「…御曹司の中でもトップクラスなんだ。資産総額、7兆円」
最後に、王手をかけてみた。
なんでだろう。いつもなら気に留めないのに……
反応が気になってしょうがない。
なんか俺、今この女を試そうとしてる。