お助け部ッ☆
『あははっ、単位がデカすぎて凄さがいまいちわかんない!』
俺の胸のうちを知らない彼女は、一番大事なところを笑い飛ばしてしまった。
『……あたしさぁ、お坊っちゃまとかと縁ない生活送ってたから、金持ちの生活とか御曹司の悩みなんて想像つかないけど…
あんたは会長の孫で、社長の息子である前に、【望月竜也】でしょ?違うの?
家柄と経験上で言ったのかもしれないけど、あたしを金目当てで媚びる最低なヤツらと一緒にしないでくれる?
だいたい、スゴイのは望月君のおじいちゃんとお父さんであって、キミは別にスゴくないし、ただのココアくれた優しい兄ちゃんじゃん』
笑い飛ばした時とはうってかわって、真剣で……どこか諭そうとしているような声だった。
一気に言ってのけた女は、ふぅっと一息ついてココアを飲み干した。
『おかわりー♪』
そんな話をした後でも、何事もなかったかのように、普通で…同じ声のトーン。
話し方も態度も雰囲気も。
何もかも変わらなかった。
なんだこの女…
出会って15分で…
俺がほしかった言葉、全部言い切りやがった…
思わず頬が緩む。
「気に入った」