お助け部ッ☆
「おっ!?」
「どした?竜」
突然立ち上がった竜也。
驚いた大和がパソコンをいじる手を止めて聞いた。
………彼に圏外は通用しないらしい。
「姫香が俺を呼んでる!」
「は?」
…ついに壊れたか?姫香姫香言い過ぎて、幻聴まで……あ。
「竜、これ見てみろ」
パソコンを竜の前に出した。
「あ!望月財閥が設置した黄金のでっかいキノコ型発信器が動いてる!」
大和が竜也に見せたのは…その発信器の電波を受信した画像。
発信器の位置を表す赤い点が動いていた。
「淳之介、見つけたんだ!姫香も一緒かな?」
ニッコニッコ笑って赤い点を見つめる竜也。
が……しだいにその顔は曇っていった。
「あれ?」
「ん?」
「この点……ぐるぐる回ってない?」
「え?」
竜に言われて画面を覗く。
確かに赤い点は同じようなところをさ迷うように動いていた。
「「迷ってる?」」
思わず声が重なる。
……案外、コイツの姫ちゃんレーダーは正常に作動してるのかもな。
「どうする?」
「迎えに行く」
そう言う竜はもう玄関にいた。
…ホント姫ちゃん絡むと行動が早いな、コイツ。
「俺も行くよ」
パソコンを閉じて玄関に向かう。
ふと…後ろを振り返りながら竜に尋ねた。
「……あのバカ共はどうする?」
「だから外せってェェェ!!!!」
「うおー」
「怖いんだってばァァァ!!!!」
いまだにグロい方の特殊メイクをかぶって翼を追いかけ回してる仁。
しつこい仁もだが……半泣きで逃げ続ける翼も翼だと思う。
「…邪魔かな」
「同感。祐希ちゃん、頼んだ」
「はーい」
バカ共を祐希ちゃんに押しつ……頼んで、俺たちは山に出た。