お助け部ッ☆



「………おぉ!淳之介!!」

「なんで気づかないの!?」




ポンッと手を叩いて納得した竜也。



コイツ…マジで俺を本物のイノシシだと!?




「大和…なんとか言って…」

「や、俺も最初は……あつらえたように似合ってるな」




俺の最後の砦ェェェ!!

大和も気づかなかったの!?お前にさえ捨てられたら(?)俺どうしたらいい!?




「なんでそんな格好してんの?……そんな趣味「ないっ!!」




じゃあ何?と竜也が興味津々の顔で俺を見つめる。




「山頂でババァに拉致られて…手足拘束されて、お茶出されて、着ぐるみ着せられた」




かいつまんで話すと、




「…ゆっきーやり過ぎ」




と苦笑いする竜也。


そんなことより、突如飛び出した名前に驚いた。




「着ぐるみ…持参か?」




大和が俺を観察するように見た。




「老婆の衣装は渡したけど、コレは知らない」




……ゆっきー?……老婆の衣装?




「え、待って。あのババァって……祐希なの?莉央のイトコの!?」

「おー。気づかなかったのか?淳之介のどんかーん」




きゃっきゃと楽しそうに笑う竜也。



え、何コイツ?っつか殴ってもいい?とりあえず、一発いい?


自分は着ぐるみですら気づかなかったくせに!それ棚に上げて俺にあの完璧な変装を見破れと!?




「……ってか姫香は?」

「あ」




……顔が怖いよ、竜!

言えない!役立たずイノシシと呼ばれて傷ついてた間に“あたしが助け呼んでキノコも探す”っておいていかれただなんて!!




「姫香は?」

「えーっとぉ…」

「吐かねぇとクビ」

「はぐれました!すんません!」




クビはやだ!俺の収入源!!




「…役立たずイノシシ」




ここでも言われちゃうの!?




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