お助け部ッ☆
『かかか、神山さんって執事だったの!?』
「そー、俺専属のー」
竜也専属の!?神山さんが!?
ってかさー…
『いっちばん世話のかかる人間が世話係?』
「姫ちゃん、それは触れちゃダメ」
しーっと人差し指を口にあてる大和先輩。
「いや否定しろよ、そこ!!」
ショックから復活したのか、神山さんが叫んだ。
「でも実際、不思議なんだよな。淳之介って役立たずなのに執事界ではトップ走ってんだよね」
竜也がサラリとヒドイことを言った。
「竜…大和みたいに悪意たっぷりより、その純粋な瞳で言われたら余計悲しいから、俺」
悲しいの、わかるけど……
『すっげぇ納得いかない』
確かに…神山さんってお助け部と親密だなぁとは思ってたよ?
名前とか呼び捨てだし、あたしのことも“姫”って呼んでくれる。
あ、でもよくよく考えれば……教育実習3年目っておかしいよね?
いや、おかしいとは思ってたんだけど…
あの学校自体おかしいからあんまり気にしてなかったし……
『だいたい執事って、四六時中ご主人様に付きっきりなんじゃないの?』
「俺、縛られるの嫌いだから」
「俺、放任主義だから」
竜也に続けて神山さんが言った。
いや、放任主義の執事なんて初めて見た!…執事自体見んの初めてだけど!!
なんか…なんか………
『夢、壊されたわー。現実って怖い』
「そんなに幻滅したの!?ごめん!俺が執事でごめん!!」