お助け部ッ☆
「姫香、今日から俺専属のメイドな♪」
『はっ!?』
竜也がさっきの紙を見せつけてきた。
『契約書…!?』
あたしの名前は…今日から竜也に仕えることを承諾するために書かれていた。
ま、マジで?竜也があたしの…
『ご主人様あッ!?』
「うん。でも何もしなくていいから」
『じゃ…何故?』
そんなの………決まってるじゃんか。
「姫香が俺以外の前でメイド服着て【お帰りなさいませ、ご主人様】とか言ってんのが許せないから。姫香、俺のだし。な?」
『………。』
それを聞いたあたしはどういう反応をしたらいいんですか!?ねぇ!!
どうしようか悩んでいると、気を利かせてくれたのか……ただ単に威張りたかったのか。
「ってことは……姫、俺の後輩だな!メイドってたとえSランクでも、仕事上執事よりもランクが下だから」
と、あたしを見下してきた。
『えー、こんな先輩やだ』
「それを本人の前で言う!?」
…そんな感じで切り抜けれた。
竜也は時たま…とんでもないことをサラリと喋る。
困ったもんだ。
あたしさー、元々男友達は多い方なのよ。
けど…竜也みたいなタイプは初めて。
今度、ゆっきーにでも相談してみよっかな。あの子、そーゆーの得意そう…
「姫香!」
『ん?』
「帰ろ」
『…うん』
……反射的行動、とでも言うのでしょうか。
差し出された左手に、なんの躊躇いもなく右手を重ねたあたしって一体……
「竜、あのまま姫のこと落とすんじゃね?」
「さあ。姫ちゃん、鈍いからな。温泉のときに同じ部屋にぶちこんだのに、何もなかったし。…あ。淳も参加するか?【鈍感2人のラブラブ大作戦】」
「何そのネーミングセンスのなさ…」
「発案者は俺と仁だが…作戦名は翼が、な」
「納得。参加する!!」
鈍感2人のラブラブ大作戦という名の、姫香からかい隊が1人増えた。