お助け部ッ☆
『えーと…これが塩?え、砂糖?……あーもう!寮と調味料の置いてある位置が違うから間違えそう…』
あたしは1人、理事長室のキッチンで格闘していた。
そんな時、みっちぃはというと………
「うっ…うぅっ…」
え……な、泣いてるゥゥ!?
「ひ、姫香ぁ…アユミが死んじゃったー!」
『あ、そ』
ドラマの再放送見て泣いてた。
のんきなもんだね、まったく。
こんなんでよく学校が成り立ってるね。
「あー、泣いた泣いた」
言いながらみっちぃがキッチンにやって来た。
「喉乾いた…姫香、コップ取って」
『はい』
水を注ぎ、飲み干す。
……普通にしてりゃ美人なんだよ、みっちぃ。
なんでこう……最強なワケ?
合気道の師範の資格みたいなの、持ってるみたいだし……
お母さんと姉妹ゲンカして家半壊したって聞いたし……
まぁそれは多分、お母さんも護身術みたいなん習ってたかららしいけどさー。
っつかあたしの周り、強い人多くね?
常識のない、強い人多くね?
『はあ…』
「ため息なんかついちゃって!幸せ逃げるよ?」
誰のせいだよ。
と言いたいけど、裏拳が飛んできたらと思うと……まだ命が惜しいので言わないでおく。
『あ、そーだ!みっちぃなら知ってるかも!』
話題を変えようと考えてたとき、またまた忘れてたことを思い出した。
「何?」
『翔平と莉央だよ!今日いなかったんだけど……何か知らない?』
あたし、まだ山から帰ってきて寮に戻ってないから……もしかしたらただのお留守番かもだけど。
なんやかんやでお助け部の中心は竜也だから、竜也が動けばみんな動く。
それはここに来たときからなんとなく悟っていた。
でも来なかったってことは……何か理由が?
「あ、そうそう。あの2人ならね」