お助け部ッ☆

追いかけっこの鬼って普通一人じゃね?




「姫香をお助け部に入れる!!」

「「はっ!?」」




姫香と別れた竜也は、寮へ戻って第一声にそう叫んだ。



寮って言っても…


他の生徒とは違う特別寮である彼の部屋は、1階建てで8LDKというドでかいシェアハウスに近い感じなんだけれども。



で、今ナイスリアクションをした二人こそ、




「ってか姫香って誰?」




爽やかくんと、




「聞いたことない」




赤髪くん。



竜也のルームメートだったりする。




「変なヤツ」

「変なヤツ??」

「今まで会ったことねぇタイプ」

「女の子?」

「気に入った♪」

「な、会話のキャッチボールしようぜ?」




噛み合わない会話をしてる竜也と爽やかくんを見て、赤髪くんはため息をついた。




「よーするに…姫香ってヤツを気に入ったから、俺らの仲間にするって言いたいんだろ?」

「そう」




赤髪くんがサックリまとめた。




「だから、姫香って誰なんだよー?」




爽やかくんが聞いた。




「よくわかんねぇけど、変な女なんだよ。俺のこと知らなかったし」

「「…マジで?」」




さすがに二人も驚いた。

望月財閥の御曹司で、スカウトが何百社とくるようなイケメンの竜也を知らない女が存在してたのだ。




「なんか…スゴいな、その女」




赤髪くんも感服。




「スゴイと言えばさ、久しぶりにコイツのギリギリアウトに会ったよ」

「マジでか!?それはスゴイなっ」




赤髪くんの評価はめっちゃ厳しい。

特に意味はないんだけど。



「そいつも変な女だったな」




赤髪くんが思い出しながら少し笑った。




「おもしろい子だよ。
生徒会でもお前の追っかけでもない子でさ〜」




………。




「「「同一人物?」」」




三人の声がハモった。





< 27 / 332 >

この作品をシェア

pagetop