お助け部ッ☆



『あの、つかぬことをお伺いしますけど……』




あたしは、ソファーの背もたれに肘をついて、そこに顎を乗せて不機嫌な顔をした日本人形ちゃんに話しかける。



ギロッ

ビクゥ!



び、美人なのにすっごい睨んでくる。


あたしが…これまで睨まれただけで怯んだのは…みっちぃと大和先輩、それから……




『ももも、もしかして……しょ、翔平…さん……ですか?』




どもっているのは……現状が理解し難いからだよ。


決して噛みまくってるワケじゃない。


だって…確かに!確かに彼女の“近づくな、話しかけるな、っつか死ね!オーラ”は機嫌の悪い翔平の必殺技。


が、しかーし!
彼女が…この日本人形のように美しい彼女が……!


あの憎たらしい悪魔、翔平なワケな……


翔平なワケ……




「テメェ…殺されたい…?」

『………ぃぃぇ』




やっぱ翔平だァァァ!!!!


間違いない!間違えるハズもないけど!!


この不機嫌顔!オーラの黒さ!声から伝わる怒り!



美女なのに………翔平。
翔平なのに………美女。



そして……なんだろう、この敗北感。



男のくせに…男のくせにっ……!




「「なんでそんなに可愛いんだよぉぉっ!」」




あたしの心の声を、代わりに叫んでくれた人が2人。




ご存知、チャラ男と…莉央の女装でトキメける運動バカ。




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