お助け部ッ☆




「まったくっ!竜ちゃんってば抜け目ないんだからあ」




……莉央?それ、肯定してるの?




「今日は僕たち、頑張ったんだよぉ?」




……だからぁ、何を?




そんなあたしの気持ちを悟ったのか、




「あ、女装の理由だよね」




思い出したように話を戻した。




「依頼が入ってね?ちょうど姫ちゃんが出掛けちゃった後だったから、【莉央ちゃん】再登場だったんだー。翔たんにはお手伝いしてもらっちゃった☆」

「手伝った覚えはない。俺は騙されたんだ」




ぶっすーとふてくされる翔平。




「大変だったんだよー?翔たん、暴れるし」

「誰が好き好んでこんなかっこするんだっつの」




そう言って、スッと足を組みかえた。




「「うわぁお!セクシー!!」」




バカ2人が声を揃えて言った。




バキッ




翔平に殴られたのは言うまでもないけど。




「依頼、こなせたんだからいいじゃな〜い☆」




ヘラヘラッと笑う莉央。これがあたしだったら、きっと殴られるだろうに、翔平は莉央の笑顔を受け流した。


やっぱ、莉央って最強?いや、最恐?




だいたい……女装が必要な依頼って…何?




「コンテストって言うから、張り切っちゃったあ♪」




そう言って、えへへ♪と笑った。




また抱きしめそうになったあたしを、




「ダメだってば」




竜也が止めた。

っつかコイツ、いつまで手ぇ握ってるんだ?




……え?ってか今、聞き慣れない単語が……



コンテスト……コンテスト…コンテ………




『ストォォォ!?』

「コンテスト、ね」




落ち着け、と握った手に力を込めた。

だから。あんたいつまで握ってんだって。




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